「株を始めたいけど、失敗したらどうしよう」「初心者がやりがちな失敗って、どんなもの?」。株式投資は、始める前に典型的な失敗パターンを知っておくだけで、大きな損を避けやすくなるものです。
私は38歳の会社員で、旧NISAのころから投資信託の積立を中心に、米国ETFなども持ちながら資産形成を続けてきました。この記事では、株式投資の初心者に多い失敗を10個に整理し、それぞれの原因と、失敗しないための考え方をまとめます。
- 株式投資の初心者に多い失敗10個
- 失敗が起きる原因
- 失敗を避けるための考え方と、始め方の順番
- 相場が下がったときの向き合い方
この記事は、投資の考え方を整理したもので、特定の銘柄や商品の購入をすすめるものではありません。株式投資には元本割れのリスクがあります。投資の判断は、ご自身の責任で行ってください。

SNSで「この株が上がる」って見たんだけど、買ってみてもいいかな?

その会社がどんな事業をしているか、なぜ上がると言われているのかを、自分で説明できますか?理由を自分の言葉で説明できない株を買うのは、初心者の失敗でいちばん多いパターンの一つです。まずは仕組みを知ってからでも遅くありませんよ。
結論|初心者の失敗は「余裕資金以外で・一つに集中して・あわてて売買する」こと
| 失敗の種類 | よくある失敗 | 避けるための考え方 |
|---|---|---|
| お金の失敗 | 生活費や近いうちに使うお金で投資する | 生活防衛資金を確保してから、余裕資金で |
| 選び方の失敗 | 話題や人のすすめだけで選ぶ。一つの銘柄に集中する | 理由を説明できるものだけ。分散する |
| 売買の失敗 | 下がると不安で売り、上がると焦って買う | 売買のルールを先に決める |
| 制度・コストの失敗 | 税金や手数料を知らずに損をする | NISAの活用、手数料の確認 |
初心者の失敗の多くは、知識や技術よりも、お金の使い方と気持ちのコントロールから生まれます。逆に言えば、始める前にルールを決めておくだけで、防げる失敗も多いのです。
株式投資の初心者に多い失敗10選
失敗1. 生活費や、近いうちに使うお金で投資する
株価は、短い期間で大きく下がることがあります。生活費や、数年以内に使う予定のお金で投資していると、下がったタイミングで売らざるを得なくなり、損が確定してしまいます。投資は、当面使う予定のない余裕資金で行うのが基本です。
失敗2. 話題の銘柄や、人のすすめだけで買う
SNSやニュースで話題になっている銘柄は、すでに株価が上がっていることも多くあります。理由を理解しないまま買うと、下がったときに持ち続けるべきか、売るべきかの判断ができません。
失敗3. 一つの銘柄に集中して投資する
一つの会社の株に資産の多くを集中させると、その会社の業績が悪化したときに大きな損を受けます。複数の銘柄や、投資信託などで分散することで、一社の影響を小さくできます。
失敗4. 下がったときに、不安で売ってしまう
買ったあとに株価が下がると、「もっと下がるのでは」と不安になり、売ってしまいがちです。長期で持つつもりだった株を、短期の値動きで手放すと、その後の回復を受け取れません。
失敗5. 上がっているのを見て、焦って高値で買う
「乗り遅れたくない」という気持ちから、大きく上がったあとに買うと、その後の下落で損をしやすくなります。
失敗4と失敗5は、「下がると売り、上がると買う」という、気持ちに流された売買です。結果的に「高く買って安く売る」ことになり、損をしやすくなります。

失敗6. 信用取引など、仕組みを知らない取引に手を出す
信用取引は、手元の資金より大きな金額の取引ができる仕組みです。うまくいけば利益は大きくなりますが、損失も大きくなり、預けたお金以上に損をすることもあります。初心者は、まず現物取引(自分のお金で株を買う取引)から始めましょう。
失敗7. 手数料や税金を気にしない
売買のたびにかかる手数料や、利益にかかる約20%の税金は、積み重なると大きな差になります。NISA口座を使えば、運用で得た利益に税金がかかりません。
失敗8. 損を取り戻そうとして、取引を増やす
損をしたあとに「早く取り戻したい」と考えて、取引の回数や金額を増やすと、冷静な判断ができなくなり、損が広がりやすくなります。
失敗9. 毎日、株価を見すぎる
株価を一日に何度も見ていると、小さな値動きにも気持ちが振り回されます。仕事や家族との時間にも影響が出てしまいます。
失敗10. 目的や期間を決めずに始める
「何のために」「いつまで」投資するのかが決まっていないと、売るタイミングも、続けるかどうかの判断もぶれてしまいます。老後資金なのか、10年後の教育費なのかによって、選ぶべき方法も変わります。

どれも、やってしまいそう…。何から気をつければいいの?

全部を一度に気にする必要はありません。まずは「生活防衛資金を残す」「一つに集中しない」「売買のルールを先に決める」の3つだけ守れば、大きな失敗はかなり防げますよ。

失敗しないための始め方の順番
- 生活防衛資金を確保する生活費の半年〜1年分を、預金で手元に残します。
- 目的と期間を決める老後資金なのか、10年後の教育費なのか。何年くらい持つつもりかを決めます。
- NISA口座を開く運用で得た利益に税金がかからないNISAを使うのが基本です。
- 投資信託の積立から始める一つの商品で多くの銘柄に分散できる投資信託を、毎月少額ずつ積み立てると、分散と時間の分散が同時にできます。
- 個別株は少額から個別の会社の株に興味があれば、資産の一部だけで、理由を説明できる会社を選びます。
いきなり個別株で大きな金額を動かすより、まず投資信託の積立で値動きに慣れてから、個別株を少しずつという順番のほうが、失敗のダメージを小さくできます。
相場が下がったときの向き合い方
株式投資を続けていれば、相場が大きく下がる場面には必ず出会います。そのときにどう行動するかで、結果は大きく変わります。下がる前から、考え方を決めておきましょう。
- 下がるのは当たり前と考えておく:株式は、何年かに一度は大きく下がると考えておきます
- 買った理由が変わっていないかを確認する:会社の業績や、投資の目的が変わっていなければ、持ち続けることも選択肢です
- 生活防衛資金には手をつけない:下がったからといって、生活に必要なお金を追加で投資に回すのは避けます
- 評価額を見る回数を減らす:不安なときほど、見る回数を減らすと冷静になれます
私は投資信託の積立を中心に資産形成を続けてきました。コロナショックのときも、売らずに基本的には積立を続け、下がったときには買い増しもしました。一度大きな下落を乗り越えたことで、今は暴落が来ても落ち着いていられるようになりました。ただ、それができたのは、投資に回していたのが当面使う予定のないお金だったからです。生活費まで投資に回していたら、同じように持ち続けられたかはわかりません。初心者の失敗を防ぐいちばんの方法は、テクニックより「お金の置き場所」を分けることだと考えています。

投資の情報との付き合い方
SNSや動画、ニュースには、投資の情報があふれています。初心者が失敗しやすいのは、情報の多さに振り回されて、自分のルールを見失うときです。
- 「必ずもうかる」話は疑う:投資に「必ず」はありません。元本保証や高い利回りをうたう話には注意が必要です
- 情報の発信者の立場を考える:その情報で誰が得をするのかを考えると、冷静に受け止められます
- 短期の予想より、長期の考え方を学ぶ:明日の株価の予想より、分散や長期投資の考え方のほうが、長く役に立ちます
- 公的な情報で基本を確認する:金融庁や金融経済教育推進機構(J-FLEC)のサイトでは、投資の基本や注意点がまとめられています
投資詐欺の被害も報告されています。知らない人からの投資の勧誘や、SNSで知り合った人からの誘いには、特に注意してください。
失敗したときの立て直し方
| 状況 | 立て直し方 |
|---|---|
| 大きく含み損がある | 買った理由と、そのお金を使う時期を確認する。使う予定がなければ、あわてて売らない選択肢も |
| 生活費まで投資してしまった | 生活に必要な分は、損が出ていても計画的に預金に戻すことを考える |
| 一つの銘柄に集中している | 新しく投資するお金は、別の銘柄や投資信託に回して、少しずつ分散する |
| 取引が増えて冷静でいられない | いったん取引を止めて、ルールを紙に書き出す |
失敗したときこそ、「取り戻そう」と動くより、いったん止まって考えることが大切です。
お金や資産形成については、こちらの記事も参考にしてください。
株式投資の初心者の失敗に関するよくある質問
株式投資の初心者がいちばん気をつけることは何ですか?
生活費や近いうちに使うお金で投資しないことです。生活防衛資金を確保したうえで、当面使う予定のない余裕資金で始めましょう。
初心者は個別株と投資信託、どちらから始めるべきですか?
一般的には、一つの商品で多くの銘柄に分散できる投資信託の積立から始めると、値動きに慣れやすく、失敗のダメージも小さくなります。個別株は、慣れてから資産の一部で始めるのがおすすめです。
株価が下がったら、すぐに売ったほうがいいですか?
一概には言えません。買った理由や、そのお金を使う時期を確認して判断しましょう。長期で持つつもりの余裕資金なら、短期の値動きで売る必要はないこともあります。
信用取引は初心者でもできますか?
口座の条件を満たせば利用できる場合がありますが、預けたお金以上の損失が出ることもある仕組みです。初心者は、まず現物取引から始めることをおすすめします。
少額でも株式投資はできますか?
できます。投資信託なら100円から積み立てられる証券会社が多く、株も1株単位で買えるサービスがあります。少額から始めて、値動きに慣れるのがおすすめです。
株式投資は、いくらから始めるのがいいですか?
まずは、失っても生活に影響のない金額から始めましょう。投資信託なら100円から積み立てられる証券会社も多く、少額で値動きに慣れることができます。
株価が上がったら、すぐに売って利益を確定したほうがいいですか?
目的と期間によります。長期で持つつもりなら、少し上がったところで売ると、その後の成長を受け取れないこともあります。買う前に、どうなったら売るかを決めておくと迷いにくくなります。
まとめ|初心者の失敗は「始める前のルール」で防げる
- 初心者の失敗は、お金の使い方と気持ちのコントロールから生まれることが多い
- 生活防衛資金を確保し、余裕資金で投資する
- 一つの銘柄に集中せず、分散する
- 下がると売り、上がると買う「気持ちに流された売買」を避け、ルールを先に決める
- 投資信託の積立から始めて、個別株は慣れてから少額で
失敗をゼロにすることはできませんが、大きな失敗は始める前の準備で防げます。無理のない金額とルールで、長く付き合える投資を始めてください。
