「新築でパントリーをつけたけど、物置になっている」「つけなければよかった?」。パントリーは、キッチンまわりの収納として人気の一方で、「思ったより使いにくい」「なくてもよかった」という後悔の声もよく聞く設備です。
私は東海地方で、延床45坪の注文住宅を建てて、グラフテクトのアイランドキッチンを採用しました。この記事では、新築のパントリーでよくある後悔を整理し、後悔しないための広さ・奥行き・位置の考え方と、パントリーが向いている家・いらない家をまとめます。
- 新築のパントリーでよくある後悔8つ
- ウォークイン型・壁面型など、パントリーの種類と特徴
- 後悔しないための広さ・奥行き・棚・位置の決め方
- パントリーが向いている家・いらない家

パントリーって、あったら便利そうだからつけたいんだけど…。

便利なのは確かですが、「何を、どれくらい入れるか」を決めずにつくると、物置になりやすいのがパントリーです。まずは、よくある後悔から見ていきましょう。
結論|パントリーの後悔は「奥行き」「位置」「入れる物」を決めていないこと
| よくある後悔 | 主な原因 | 対策 |
|---|---|---|
| 奥の物が取り出せない | 棚の奥行きが深すぎる | 食品なら奥行き30〜45cm程度の浅めの棚を中心に |
| 物置になった | 入れる物を決めていなかった | 食品・日用品のストックなど、入れる物を先に決める |
| キッチンから遠い | 間取りの都合で離れた場所に | キッチンから数歩で行ける位置に |
| 暗くて見えにくい | 照明がない、スイッチが遠い | 照明とスイッチ、できれば人感センサーを |
| 狭くて入りにくい | 通路の幅が足りない | ウォークイン型なら、人が通れる幅を確保 |
| 広すぎて面積がもったいない | なんとなく広くした | 持ち物の量から必要な広さを逆算 |
| コンセントがなくて家電が置けない | 家電を置く想定をしていなかった | 使う予定があればコンセントを計画 |
| 夏に暑く、食品が傷みそう | 窓や換気がない、西日が当たる | 温度が上がりにくい場所と換気を考える |
※奥行きなどの数値は一般的な目安です。
パントリーの後悔は、「とりあえずつけた」ことから生まれるものがほとんどです。入れる物と使い方を先に決めれば、多くは防げます。
パントリーの種類と特徴
パントリーには、いくつかの形があります。家の広さや、キッチンのまわりの間取りに合わせて選びましょう。
| 種類 | 特徴 | 向いている家 |
|---|---|---|
| ウォークイン型 | 小部屋のように中に入って使う。たくさん収納できる | ストックが多い、まとめ買いをする家 |
| ウォークスルー型 | 2方向から出入りでき、通り抜けられる | 勝手口や玄関とつなげたい家 |
| 壁面収納型 | キッチンの壁に、奥行きの浅い棚を設ける | 面積を抑えたい、見渡しやすさを重視する家 |
| 床下収納・カップボード活用 | パントリーを設けず、既存の収納で対応 | ストックが少ない、キッチンの収納で足りる家 |
「パントリー=小部屋」と思いがちですが、壁面に浅い棚を並べるだけでも、十分にパントリーの役割を果たせます。面積と使いやすさのバランスで選びましょう。
ウォークイン型は収納量が多い反面、通路の分の面積も必要です。同じ面積なら、壁面収納型のほうが、実際に物を置ける量が多くなることもあります。

パントリーで後悔しないための決め方
1. 入れる物を先にリストアップする
パントリーに入れる物を、具体的に書き出してみましょう。
- 食品のストック(缶詰、レトルト、乾物、調味料、飲み物)
- 日用品のストック(キッチンペーパー、ラップ、洗剤)
- あまり使わない調理家電(ホットプレート、ミキサーなど)
- 防災用の備蓄(水、非常食)
- ゴミ箱、資源ごみの一時置き場
入れる物が決まれば、必要な広さと棚の高さ・奥行きが自然に決まります。
2. 棚の奥行きは「浅め」を基本に
食品のストックは、小さな物が多いため、奥行きが深いと奥の物が見えなくなり、賞味期限切れの原因になります。食品用の棚は浅め、ホットプレートなど大きな物を置く棚だけ深め、と分けて考えるのがおすすめです。
3. 棚は可動式にする
置く物は、暮らしとともに変わります。棚板の高さを変えられる可動棚にしておくと、あとから調整できます。
4. キッチンから近い位置に
パントリーは、料理の途中でさっと取りに行ける距離にあることが大切です。冷蔵庫の近くにあると、買ってきた食品をまとめて片付けやすくなります。
5. 照明・コンセント・換気を忘れずに
扉のあるパントリーは暗くなりがちです。照明は必須で、人感センサー付きにすると、両手がふさがっていても便利です。家電を置くならコンセント、食品の保管なら換気や温度にも気を配りましょう。
6. 扉をつけるかどうかを決める
扉をつけると、来客時に中が見えずすっきりします。一方、開け閉めの手間があり、扉の開くスペースも必要です。ロールスクリーンやカーテンで仕切るという方法もあります。

パントリーの広さって、何畳くらいあればいいの?

家族の人数やストックの量で変わるので、「何畳が正解」とは言えません。今の家のストックを一か所に集めてみて、その量が収まる棚の長さから考えると、広すぎ・狭すぎを防げますよ。

パントリーが向いている家・いらない家
| パントリーが向いている家 | パントリーがいらないかもしれない家 |
|---|---|
| まとめ買いをすることが多い | こまめに買い物をして、ストックが少ない |
| 家族が多く、食品や日用品の消費が多い | キッチンのカップボードで収納が足りている |
| 防災用の備蓄をしっかりしたい | 面積を抑えて、ほかの部屋を広くしたい |
| キッチンを見せる収納にせず、すっきりさせたい | キッチンの近くにパントリーを置くスペースがない |
パントリーは、「あると便利」ではなく「なくて困るかどうか」で判断するのがおすすめです。キッチンのカップボードや吊り戸棚で十分に収まるなら、その分の面積をほかに使うという選択もあります。
パントリーの費用と面積の考え方
パントリーを設けると、そのぶん床面積が増え、建築費も上がります。1畳あたりの費用は、建物の坪単価によって変わります。「その面積を、ほかの部屋や収納に使ったらどうなるか」と比べて考えると、判断しやすくなります。
また、パントリーの棚を造作にするか、市販の棚を置くかでも費用が変わります。造作の可動棚にしておくと、すっきり見えて、あとからの調整もしやすくなります。
わが家は、グラフテクトのアイランドキッチンを採用しました。アイランドキッチンは、壁に面した収納が少なくなりやすいので、キッチンまわりの収納をどこで確保するかは打ち合わせで大事なポイントでした。キッチンの収納を考えるときは、パントリーをつけるかどうかだけでなく、カップボードの大きさや、食品・日用品のストックをどこに置くかを、まとめて考えるのがおすすめです。パントリーは「つけるかどうか」より、「何を入れるか」を先に決めることが、後悔しないいちばんの近道だと思います。

パントリーを物置にしないための使い方
- 「ここには食品だけ」などルールを決める:入れる物の種類を決めておくと、関係ない物が入り込みにくくなります
- 同じケースでそろえる:中身ごとにケースを分けて、ラベルを貼ると、家族も迷いません
- 古い物を手前に:新しく買った物は奥に、古い物を手前に置くと、賞味期限切れを防げます
- 定期的に中身を見直す:季節の変わり目などに、使っていない物がないか確認します
パントリーに入れたい物・入れないほうがいい物
| 入れたい物 | 入れないほうがいい物 |
|---|---|
| 缶詰、レトルト食品、乾物、パスタなどの常温保存の食品 | 高温や湿気で傷みやすい食品(窓のない暑いパントリーの場合) |
| 調味料や飲み物のストック | 季節の衣類や、キッチンと関係のない物 |
| キッチンペーパー、ラップ、洗剤などの日用品のストック | においの強い物と食品の同じ段への収納 |
| ホットプレートなど、たまに使う調理家電 | 毎日使う調理器具(キッチンにあるほうが便利) |
| 防災用の水や非常食 | 灯油などの危険物 |
パントリーは、「キッチンで使う物の、ストックと控え」を置く場所と考えると、使い方がぶれにくくなります。毎日使う物はキッチンに、たまに使う物とストックはパントリーに、と役割を分けましょう。
防災用の備蓄をパントリーにまとめておくと、普段の食品と一緒に古い物から使って買い足す「ローリングストック」もしやすくなります。
パントリーの代わりになる収納のアイデア
| アイデア | ポイント |
|---|---|
| カップボードを大きめにする | キッチンの背面収納を広げて、ストックもまとめて収納する |
| キッチンの横に浅い壁面収納 | 奥行きの浅い棚なら、通路の一部でも設けやすい |
| 床下収納 | 重い飲み物や保存食の置き場に |
| 階段下の収納 | キッチンから近ければ、パントリー代わりにできる |
家づくりや住まいの設備・家電については、こちらの記事も参考にしてください。
パントリーの後悔に関するよくある質問
パントリーはいらないと言われるのはなぜですか?
入れる物を決めずにつくると物置になりやすいこと、面積と費用が増えること、キッチンのカップボードで足りる家もあることが主な理由です。必要かどうかは、ストックの量と使い方で判断しましょう。
パントリーの棚の奥行きは、どれくらいがいいですか?
食品のストックが中心なら、奥行き30〜45cm程度の浅めの棚が見渡しやすいと言われます。大きな調理家電を置く段だけ深くするなど、入れる物に合わせて分けるのがおすすめです。
パントリーに扉はつけたほうがいいですか?
来客時に中を見せたくないなら、扉があると便利です。開け閉めの手間を減らしたいなら、扉なしや、ロールスクリーンで仕切る方法もあります。
パントリーにコンセントは必要ですか?
炊飯器や電子レンジなどの家電を置く予定があるなら必要です。将来使うかもしれない場合も、1か所つけておくと安心です。
パントリーの場所は、どこがいいですか?
キッチンから数歩で行ける位置がおすすめです。冷蔵庫の近くや、勝手口・玄関から買い物の荷物を運びやすい位置にすると、使い勝手がよくなります。
パントリーがないと困りますか?
ストックが少なく、キッチンのカップボードや吊り戸棚で収まる家なら、なくても困らないことがあります。その場合は、浅い壁面収納や床下収納で補う方法もあります。
パントリーの照明は、どんなものがいいですか?
扉のあるパントリーなら、人感センサー付きの照明が便利です。買い物袋を両手に持ったままでも明かりがつき、消し忘れも防げます。
まとめ|パントリーは「入れる物」から逆算してつくる
- パントリーの後悔は、奥行き・位置・入れる物を決めていないことから生まれやすい
- 食品のストックは浅めの棚が見渡しやすい。棚は可動式に
- キッチンから近い位置に。照明・コンセント・換気も忘れずに
- ウォークイン型だけでなく、壁面収納型も選択肢
- 「あると便利」ではなく「なくて困るか」で判断する
パントリーは、使い方を決めてつくれば、キッチンをすっきり保てる心強い収納です。今のストックの量を確認するところから、計画を始めてみてください。
