「気づいたら、子どもが何時間もYouTubeを見ている」「見せすぎかな…と思いつつ、家事の間はつい頼ってしまう」。共働きや子育てで忙しい家庭にとって、動画は便利な一方で、「見せすぎ」が気になる存在です。
私は共働きで、4歳の子どもを育てています。この記事では、WHO(世界保健機関)や日本小児科医会、こども家庭庁の調査などの公的な情報をもとに、子どものYouTubeの「見せすぎ」の目安と、見せすぎを防ぐルールのつくり方をまとめます。
- 子どもの動画視聴時間の目安(WHO・日本小児科医会)
- 実際に子どもがどれくらい動画やネットを使っているか
- 見せすぎで心配されること
- 見せすぎを防ぐ家庭のルールと、上手な付き合い方
この記事は、公的機関の情報をもとにした一般的な内容です。子どもの発達や視力、睡眠などで気になることがある場合は、小児科などの専門家に相談してください。

夕飯をつくっている間だけ、YouTubeを見せてるんだけど、やっぱりよくないのかな…。

家事の間に動画を見せること自体を、必要以上に責める必要はないと思います。大切なのは、時間・内容・見せ方を親がコントロールできているかです。目安を知ったうえで、家庭に合ったルールを決めていきましょう。
結論|幼児は「1日1時間以内」が目安。時間より「ルール」と「生活リズム」が大事
| 年齢 | 公的な目安 | 出典 |
|---|---|---|
| 1歳未満 | 画面を見る時間は推奨されない | WHO(2019年のガイドライン) |
| 2歳未満 | テレビ・ビデオの視聴は控える | 日本小児科医会の提言 |
| 2〜4歳 | 座って画面を見る時間は1日1時間以内(少ないほどよい) | WHO(2019年のガイドライン) |
| 子ども全般 | テレビ・ゲームなどメディアに接する時間は合計で1日2時間までを目安に | 日本小児科医会の提言 |
※WHOの目安は、主に「座って画面を見る時間」を対象にしたものです。日本小児科医会の提言は2004年のもので、スマートフォン以前の内容も含みます。
公的な目安を見ると、幼児は1日1時間以内、小学生以上もメディア全体で2時間程度までがひとつの基準です。ただ、目安を守れるかどうかより、睡眠・食事・遊びの時間を動画が削っていないかを見ることが大切です。
子どもは実際にどれくらい動画やネットを使っている?
こども家庭庁の「令和6年度 青少年のインターネット利用環境実態調査」によると、平日1日あたりのインターネットの平均利用時間は次のとおりです。
| 対象 | 平日1日あたりの平均利用時間 |
|---|---|
| 低年齢層(0〜9歳) | 約2時間9分 |
| 小学生(10歳以上) | 約3時間44分 |
| 中学生 | 約5時間2分 |
| 高校生 | 約6時間19分 |
※インターネットを利用している子どもをベースに集計。利用機器の合計。テレビ放送の視聴時間は含みません。
0〜9歳でも、平均で1日2時間を超えているのが実態です。「うちだけ見せすぎているのでは」と思いがちですが、多くの家庭で同じ悩みがあると言えます。なお、同じ調査では、低年齢層の子どもの保護者の81.6%が「ルールを決めている」と回答しています。
目安の時間をぴったり守ることより、「動画のせいで寝る時間が遅くなっていないか」「体を動かす遊びや会話の時間が減っていないか」をチェックするほうが、家庭で実践しやすい判断基準です。

見せすぎで心配されること
1. 睡眠時間が減る・寝つきが悪くなる
寝る直前まで動画を見ていると、寝る時間が遅くなったり、興奮して寝つきが悪くなったりすることがあります。厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、3〜5歳は10〜13時間、小学生は9〜12時間の睡眠が推奨されています。
2. 体を動かす時間が減る
動画を見ている時間は、体を動かさない時間です。外遊びや運動の時間が減ると、体力づくりにも影響します。
3. 会話や遊びの時間が減る
幼児期は、家族との会話や、手を使った遊び、友だちとのやりとりの中で、ことばや考える力が育つ時期です。動画の時間が長くなると、こうした時間が減ってしまいます。
4. 目への負担
小さな画面を近い距離で長く見続けると、目が疲れやすくなります。画面との距離をとる、ときどき遠くを見るなどの工夫が大切です。
5. 内容の問題
次々と自動で再生される動画の中には、子どもにふさわしくない内容が混じることもあります。
6. やめられない・切り替えられない
動画は、次々に新しい動画が出てくるので、子どもが自分でやめるのは簡単ではありません。「やめなさい」で毎回もめてしまう、という家庭も多いと思います。

動画をやめさせると、毎回大泣きされるんだよね…。

子どもにとって、楽しいことを途中で止められるのはつらいものです。「あと1本で終わり」「この動画が終わったらお風呂」と、終わりを先に約束しておくと、切り替えやすくなることがあります。タイマーを使うのもおすすめです。

見せすぎを防ぐ家庭のルールのつくり方
- 見る時間を決める「夕飯の準備の30分」「保育園から帰って1本だけ」など、生活の流れの中で時間を決めます。
- 終わりを先に約束する見始める前に「この動画が終わったらおしまい」と約束し、タイマーを使います。
- 見る場所を決めるリビングなど、大人の目が届く場所で見るようにします。
- 寝る前は見ない寝る前1時間は画面を見ない、などのルールで、睡眠を守ります。
- 自動再生を切る・子ども向けの設定を使う自動で次の動画が始まらないように設定し、子ども向けのアプリや制限機能を使います。
- 大人も一緒に守る子どもだけに我慢させず、食事中は家族みんなスマートフォンを置く、など大人もルールを守ります。
ルールは、子どもと一緒に決めて、守れたらほめるのが続けるコツです。年齢が上がったら、ルールを見直していきましょう。
動画と上手に付き合う工夫
- 一緒に見て、話をする:「この動物、なんて名前だろう?」と会話をすると、見る時間がコミュニケーションの時間になります
- 見る内容を選ぶ:あらかじめ見る動画を一緒に選んでおくと、次々に見続けることを防げます
- 動画の代わりの遊びを用意する:お絵かき、パズル、絵本、料理のお手伝いなど、手を動かす遊びを近くに置いておきます
- テレビの大きな画面で見る:小さな画面を近くで見るより、離れて見られるので目の負担を減らしやすくなります
わが家は共働きで、子どもは4歳です。夕方は、園の送迎、料理、お風呂と、やることが重なる時間帯です。そうした時間に動画に頼る場面があるのは、多くの共働き家庭に共通することだと思います。だからこそ、「見せるか、見せないか」ではなく「どう見せるか」を考えるほうが現実的だと考えています。時間と終わりを決めて、寝る前は見ない。この2つを守るだけでも、動画との付き合い方はかなり変わると思います。

動画を見せる時間を減らしたいときの工夫
「見せすぎかも」と感じたとき、急にゼロにしようとすると、子どもも親も大変です。少しずつ減らしていきましょう。
- 見る時間帯を一つにしぼる:朝・夕方・夜と何度も見ているなら、まずは夕方だけにするなど、見る回数を減らします
- 代わりの楽しみを用意する:動画の時間に、親子でできる簡単な遊びや、お手伝いを提案します
- テレビやタブレットを目につかない場所に置く:目に入ると見たくなるので、しまっておくのも効果的です
- 大人のスマートフォンの使い方も見直す:子どもは大人の行動をよく見ています
- できた日をほめる:約束を守れた日は、カレンダーにシールを貼るなど、目に見える形でほめます
減らすときは、「取り上げる」より「ほかの楽しいことに置きかえる」イメージで進めると、子どもも受け入れやすくなります。
年齢別|動画との付き合い方の目安
| 年齢 | 付き合い方の考え方 |
|---|---|
| 0〜1歳 | できるだけ見せない。見せる場合も短く、大人が一緒に |
| 2〜4歳 | 1日1時間以内を目安に。時間と場所を決め、大人が内容を選ぶ |
| 5〜6歳 | ルールを一緒に決める。終わりの約束を自分で守る練習 |
| 小学生 | 宿題・睡眠・外遊びとのバランスを。使う時間帯のルールを決める |
※公的な目安をもとにした一般的な考え方です。
子育てや家族の車・お出かけについては、こちらの記事も参考にしてください。
子どものYouTubeの見せすぎに関するよくある質問
子どもにYouTubeを見せるのは何時間までがいいですか?
WHOのガイドラインでは、2〜4歳は座って画面を見る時間を1日1時間以内(少ないほどよい)としています。日本小児科医会は、メディアに接する時間を合計で1日2時間までを目安にするよう提言しています。
2歳未満の子どもに動画を見せてもいいですか?
日本小児科医会は、2歳未満のテレビ・ビデオの視聴は控えるよう提言しています。WHOも、1歳未満は画面を見る時間を推奨していません。見せる場合は、短い時間で、大人が一緒に見るようにしましょう。
動画をやめるときに泣いてしまいます。どうすればいいですか?
見始める前に終わりを約束し、タイマーを使うと切り替えやすくなることがあります。終わったあとにすることを決めておく(お風呂、絵本など)のも効果的です。
寝る前に動画を見せるのはよくないですか?
寝る直前まで画面を見ていると、寝る時間が遅くなったり、寝つきが悪くなったりすることがあります。寝る前1時間は画面を見ないなど、睡眠を守るルールがおすすめです。
子ども向けのアプリや設定はありますか?
動画サービスには、子ども向けのアプリや、視聴時間の制限、自動再生の停止などの設定があります。スマートフォンやタブレットの機能でも、使える時間を制限できます。
見せすぎで、ことばの発達に影響しますか?
動画の時間が長くなると、会話や遊びの時間が減ることが心配されています。気になることがあれば、自己判断せず、小児科や自治体の子育て相談に相談しましょう。
テレビとスマートフォン、どちらで見せるほうがいいですか?
小さな画面を近い距離で見るより、テレビなどの大きな画面を離れて見るほうが、目の負担を減らしやすいと言われます。どちらの場合も、時間を決めて見せましょう。
保育園や幼稚園から帰ったあと、すぐに動画を見たがります。どうすればいいですか?
帰ってすぐの時間は、子どもも疲れていて、動画で気持ちを落ち着けたいこともあります。手洗いやおやつのあとに1本だけ、など、生活の流れの中で見るタイミングを決めておくと、毎日のもめごとが減ることがあります。
まとめ|動画は「見せない」より「どう見せるか」
- WHOは2〜4歳の画面時間を1日1時間以内(少ないほどよい)としている
- 日本小児科医会は、2歳未満の視聴を控え、メディア全体で1日2時間までを提言
- 実態として、0〜9歳でも平日のネット利用は平均約2時間9分
- 見せすぎで心配なのは、睡眠・運動・会話の時間が減ること
- 時間と終わりを決める、寝る前は見ない、大人も一緒に守る
動画は、上手に使えば子育てを助けてくれる道具です。目安を知ったうえで、家庭に合ったルールを決めて、子どもと一緒に付き合い方を育てていきましょう。
参考:こども家庭庁 青少年のインターネット利用環境実態調査/日本小児科医会「子どもとメディア」の問題に対する提言/厚生労働省 健康づくりのための睡眠ガイド2023
