釣りで注意したい毒魚一覧|刺す魚・食べると危ない魚と対処法

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「釣れた魚、これって毒がある?」「子どもが触っても大丈夫?」。釣りでは、狙っていない魚が掛かることがよくあります。その中には、トゲに毒がある魚や、食べると食中毒になる魚も混じります。

私は静岡で、船のエサ釣りを中心に、サーフでも釣りをしてきました。この記事では、釣りで出会いやすい毒のある魚を「刺されると危ない」「食べると危ない」「咬まれると危ない」の3タイプに分けて、見分け方と対処法をまとめます。毒や症状の説明は、厚生労働省や環境省などの公的な情報をもとにしています。

この記事でわかること
  • 釣りで出会いやすい毒魚の一覧と、毒のある部位
  • 食べると危ない魚(フグ・ソウシハギ・アオブダイなど)
  • 刺されたときの応急処置と、病院に行く目安
  • 毒魚が釣れたときの安全な外し方と、持っておきたい道具
はじめに

この記事は、釣り人向けに公的な情報を整理したものです。医師の診断や治療の代わりにはなりません。刺された・咬まれた・食べてしまったときは、自己判断で様子を見ず、医療機関に相談してください。呼吸が苦しい、意識がぼんやりするなどの症状があれば、ためらわず119番に連絡しましょう。

タクミ
タクミ

堤防で見たことのない魚が釣れたんだけど、素手で外していいのかな…。

ガイ
ガイ

名前がわからない魚は、素手で触らない・食べないが基本です。毒魚の種類を全部覚えなくても、この2つを守るだけで事故の多くは防げますよ。

目次

結論|釣りで注意したい毒魚は3タイプ

釣りで出会う毒のある生き物は、危険の種類で3つに分けると覚えやすくなります。

タイプ主な魚・生き物基本の対策
刺されると危ないゴンズイ、ハオコゼ、アイゴ、オニカサゴ、ミノカサゴ、オニオコゼ、アカエイ素手で触らない。フィッシュグリップとプライヤーで外す
食べると危ないフグの仲間、アオブダイ、ハコフグ、ソウシハギ、イシガキダイなど(シガテラ毒)、バラムツ、アブラソコムツ名前のわからない魚は食べない。フグは自分でさばかない
咬まれると危ないヒョウモンダコ見つけても絶対に触らない
POINT

「刺す毒」の多くは熱に弱いとされ、応急処置でお湯を使います。一方、フグ毒などの「食べる毒」は加熱しても消えません。同じ「毒」でも、対策がまったく違う点を押さえておきましょう。

刺されると危ない魚|トゲに毒がある

堤防や船でいちばん事故が起きやすいのが、このタイプです。ハリを外そうとして、うっかり握ってしまうことで刺されます。

魚毒のある部位出会いやすい場面
ゴンズイ背びれ・胸びれのトゲ堤防の夜釣り、チョイ投げ
ハオコゼ背びれのトゲ堤防の足元、藻場や岩場
アイゴ背びれ・腹びれ・しりびれのトゲ堤防や磯のエサ釣り
オニカサゴ背びれ・しりびれ・腹びれのトゲ船の中深場の釣り
ミノカサゴヒレのトゲ岩礁帯の釣り
オニオコゼ背びれなどのトゲ砂地や岩場の底の釣り
アカエイ尾の付け根のトゲサーフ、河口、投げ釣り

ゴンズイ

ナマズに似た体で、黒い体に黄色のしま模様があり、口にひげがある魚です。環境省の情報では、背びれと胸びれのトゲに毒腺があり、刺されるとやけどに似た痛みが数時間続くとされています。夜行性で夜釣りで掛かることが多く、暗い中でよく見ずに触って刺されるケースが多いそうです。

注意したいのは、魚が死んだあとも、しばらくは毒が残る点です。堤防に放置されたゴンズイを踏んだり、子どもが拾ったりしないよう気をつけましょう。

ハオコゼ

体長10cmほどの小さな魚で、藻場や岩場に広くすんでいます。背びれのトゲに毒腺があり、刺されると数時間痛みが続くとされています。見た目が小さなカサゴに似ているので、「小さいカサゴが釣れた」と思って握ってしまうのが典型的な事故のパターンです。堤防の足元で釣れた赤っぽい小魚は、まず疑ってかかりましょう。

アイゴ

堤防や磯のエサ釣りで掛かる、平たい体の魚です。地域によっては「バリ」とも呼ばれます。背びれ・腹びれ・しりびれのトゲに毒があり、刺されると強い痛みが出ます。引きが強く、食べる地域もある魚ですが、持ち帰る場合は先にハサミでトゲを切り落としてからクーラーボックスに入れると安全です。

オニカサゴ・ミノカサゴ・オニオコゼ

カサゴやオコゼの仲間には、ヒレのトゲに毒を持つ種類がいます。オニカサゴは船の中深場で狙う高級魚で、本命として釣る魚でもあります。ミノカサゴは長いヒレが目立つ魚で、岩礁帯の釣りで掛かることがあります。

オニオコゼは体長25cmほどで、砂にもぐったり、まわりの色に体を合わせたりして隠れています。環境省の情報では、刺されると激痛と腫れが出て、けいれんなどのショック症状や、呼吸困難を起こすこともあるとされています。オニオコゼに刺されたときは、傷口を洗って、すぐに医師の治療を受けてください。

アカエイ

全長1m以上になる大きなエイで、長い尾の付け根にノコギリ状の大きなトゲがあります。トゲには毒腺があり、刺されると激痛とともに傷のまわりが腫れ上がり、血圧の低下や呼吸の障害、発熱などが出ることがあるとされています。

サーフや河口の投げ釣り、泳がせ釣りで掛かることがあります。尾を振り回すので、無理に陸に上げず、離れた位置でイトを切るのが安全です。環境省の情報では、5〜6月の繁殖期に浅瀬の砂地に集まるとされているので、ウェーディング(水に立ち込む釣り)で踏まないようにも注意しましょう。

食べると危ない魚|加熱しても毒は消えない

このタイプは、触っても問題ないことが多いぶん、油断しやすいのが怖いところです。厚生労働省の「自然毒のリスクプロファイル」をもとに、釣り人が知っておきたいものを整理します。

毒の種類主な魚主な症状
フグ毒(テトロドトキシン)フグの仲間しびれ、まひ、呼吸困難。死亡することもある
パリトキシン様毒アオブダイ、ハコフグ、ソウシハギ(内臓)激しい筋肉痛、黒褐色の尿、呼吸困難
シガテラ毒イシガキダイ、バラフエダイ、バラハタなど下痢やおう吐、温度感覚の異常
異常脂質(ワックスなど)バラムツ、アブラソコムツ、アブラボウズ下痢

フグの仲間

堤防やサーフでは、クサフグなどの小さなフグがよく掛かります。厚生労働省によると、フグ毒は内臓、とくに肝臓や卵巣に高い濃度でたまり、ふつうの調理の加熱では分解されません。症状は食後20分から3時間ほどの短い時間であらわれ、重い場合は呼吸困難で亡くなることがあります。

厚生労働省は「釣り人等の素人判断による調理は絶対に行わないこと」と明記しています。フグの種類によって毒のある部位がちがい、見分けも難しいためです。フグを食べたいときは、資格を持つ人がさばいてくれるフグ釣りの船宿を利用しましょう。

アオブダイ・ハコフグ・ソウシハギ

パリトキシン様毒による食中毒は、潜伏時間がおおむね12〜24時間と長く、激しい筋肉痛や黒褐色の尿、呼吸困難などが出ます。加熱しても毒性は失われません。厚生労働省のまとめでは、1953年以降に49件の記録があり、患者148名のうち8名が亡くなっています。

釣り人がとくに知っておきたいのが、カワハギの仲間のソウシハギです。東京都の資料では、尾びれが長くて後ろの端が丸く、体の側面に黒い斑点と青い波状の模様があるのが特徴とされています。消化管や内臓に毒を持つとされ、人の食中毒の事例は確認されていないものの、家畜の死亡例があります。本来は暖かい海の魚ですが、各地で見つかっているので、青い模様のあるカワハギ似の魚は食べないと覚えておきましょう。

シガテラ毒を持つ魚

シガテラは、主に暖かい海の魚で起きる食中毒です。沖縄県での発生が多いものの、厚生労働省によると最近は九州や本州でも増えていて、本州ではイシガキダイによる事例が続いています。冷たいものに触れると電気が走るように痛む「ドライアイスセンセーション」という症状が特徴で、加熱しても毒性は失われません。

同じ種類でも、毒を持つかどうかは個体や海域で変わります。南の地域へ遠征して釣った魚は、船長や地元の釣具店に、食べてよい魚かどうかを必ず確認しましょう。

バラムツ・アブラソコムツ

深場の釣りで掛かる大型の魚です。身に人が消化できないワックスを多く含み、食べると下痢を起こします。厚生労働省の情報では、バラムツは1970年、アブラソコムツは1981年に食用禁止とされています。釣れても持ち帰って食べたり、人にあげたりしないようにしましょう。

咬まれると危ない生き物|ヒョウモンダコ

ヒョウモンダコは、体長10cmほどの小さなタコです。ふだんは地味な色ですが、刺激を受けると青い輪の模様が浮かび上がります。唾液にフグと同じテトロドトキシンを含み、咬まれると呼吸困難を起こす危険があります。

島根県や香川県など、各地の自治体が注意を呼びかけています。以前は暖かい海の生き物とされていましたが、生息する範囲が北に広がっているとされ、磯やタコ釣り、エギングで出会う可能性があります。見つけても絶対に素手で触らないでください。咬まれた場合は、口で毒を吸い出さず、すぐに救急車を呼ぶなどして医療機関で治療を受けましょう。

ユイ
ユイ

ウツボやダツも危ないって聞くけど、毒があるの?

ガイ
ガイ

ウツボやダツ、太刀魚は、トゲの毒ではなく鋭い歯やくちばしによるケガが危ない魚です。毒がなくても素手でつかまない、という点は同じですね。

毒魚に刺されたときの応急処置

ゴンズイやハオコゼ、アカエイなどのトゲの毒は、熱に弱いとされています。環境省の情報をもとにした、基本の流れは次のとおりです。

  1. 魚から離れて、まわりに伝える一人で我慢せず、同行者や船長、近くの人に刺されたことを伝える。
  2. トゲを取りのぞき、傷口を洗うトゲが残っていれば取りのぞき、きれいな水で傷口を洗う。毒をしぼり出すようにする。
  3. やけどしない程度のお湯につける毒を弱めるために、患部をお湯につけて温める。
  4. 医療機関を受診する痛みが続く、腫れが広がる、トゲが残っていそうなときは病院へ。

お湯の温度は、環境省の情報では「やけどしない程度」とされています。医師による解説では45℃程度のお湯に30〜90分という目安が紹介されており、40〜45℃とする資料が多く見られます。

注意

痛みで感覚がにぶっていると、熱すぎるお湯でやけどをすることがあります。刺されていない側の手で温度を確かめましょう。オニオコゼやアカエイのように症状が重くなりやすい魚や、息苦しさ、吐き気、じんましん、めまいが出た場合は、応急処置にこだわらず、すぐに救急車を呼んでください。ヒョウモンダコやクラゲは対処がちがうので、同じ方法をそのまま当てはめないようにしましょう。

釣り場では、すぐにお湯が手に入らないこともあります。保温ボトルにお湯を入れて持っていくと、飲み物用としても使えて、いざというときの備えにもなります。水で温度を調整してから使ってください。

毒魚が釣れたときの安全な外し方

毒魚が釣れても、あわてなければ事故は防げます。

  • 素手でつかまない:フィッシュグリップで魚を固定し、プライヤーでハリを外します
  • タオルで握らない:薄いタオルや軍手は、トゲが通り抜けることがあります
  • 外せないときはイトを切る:ハリを飲まれているときや、暴れて危ないときは、魚に近い位置でハリスを切ります
  • 堤防に放置しない:死んだあとも毒が残る魚がいます。あとから来た人や子どもが踏む原因になるので、海に返します
  • 足で踏んで押さえない:サンダルや薄い靴底は、トゲが通ることがあります

持ち帰る魚の場合は、クーラーボックスに入れる前にハサミでトゲを切り落とすと、家でさばくときも安全です。切ったトゲも、その場に落とさないようにしましょう。

船のエサ釣りをしてきた立場からの本音

私は静岡で、船のエサ釣りを中心に釣りをしてきました。船では、オニカサゴのように毒のトゲを持つ魚が本命になる釣りもあれば、泳がせ釣りのように何が掛かるかわからない釣りもあります。だからこそ、「わからない魚は触る前に船長に聞く」のが、いちばん確実な安全対策だと考えています。堤防には船長がいないので、フィッシュグリップとハサミを手の届く場所に置いておき、迷ったら触らずにイトを切る、と先に決めておくのがおすすめです。

毒魚対策で持っておきたい道具

道具使いみち
フィッシュグリップ(魚つかみ)魚に触れずに固定する。毒魚対策の基本
プライヤー手を近づけずにハリを外す
ハサミハリスを切る。持ち帰る魚のトゲを切る
厚手の手袋トゲやヒレ、歯によるケガを減らす。過信はしない
保温ボトルのお湯刺されたときに患部を温める
ピンセットと真水残ったトゲを取りのぞき、傷口を洗う

どれも高価な道具ではありません。とくにフィッシュグリップとプライヤーは、毒のない魚でも手を汚さずに扱えるので、最初の釣りからそろえておくと便利です。

釣り場別|出会いやすい毒魚

釣り場出会いやすい魚・生き物
堤防ゴンズイ、ハオコゼ、アイゴ、クサフグなどのフグの仲間
サーフ・河口アカエイ、クサフグなどのフグの仲間
磯・岩礁帯アイゴ、ミノカサゴ、ハオコゼ、ヒョウモンダコ
船オニカサゴ、フグの仲間、深場ではバラムツなど

※一般的な目安です。地域や季節によって変わります。

子ども連れの釣りで気をつけたいこと

子どもは、釣れた魚をすぐに触りたがります。ファミリーフィッシングで人気のサビキ釣りやチョイ投げでも、ゴンズイやハオコゼ、フグは掛かります。

  • 「釣れたらまず大人を呼ぶ」と先に約束する:魚を外すのは大人の役目にします
  • 落ちている魚を拾わせない:堤防に捨てられた魚にも毒が残っていることがあります
  • サンダルではなく靴をはかせる:足元の魚やハリを踏む事故を減らせます
  • 近くの病院を調べておく:釣り場に着く前に、休日でも受診できる医療機関を確認しておくと安心です

釣りの道具や釣り方については、こちらの記事も参考にしてください。

釣りの毒魚に関するよくある質問

堤防でいちばん注意したい毒魚は?

ゴンズイ、ハオコゼ、アイゴの3種類です。どれもエサ釣りでよく掛かり、ヒレのトゲに毒があります。小さくても素手で触らず、フィッシュグリップを使いましょう。

毒魚に刺されたら、冷やしたほうがいいですか?

魚のトゲの毒は熱に弱いとされ、環境省の情報では、やけどしない程度のお湯につけて温める方法が紹介されています。ただし応急処置なので、痛みが続くときや症状が重いときは医療機関を受診してください。

死んだ毒魚なら触っても大丈夫ですか?

大丈夫ではありません。ゴンズイは、死んだあともしばらく毒腺が生きているとされています。堤防に落ちている魚にも触らないようにしましょう。

釣ったフグは、身だけなら食べられますか?

自分でさばいて食べるのはやめてください。フグは種類によって毒のある部位がちがい、加熱しても毒は分解されません。厚生労働省も、釣り人などの素人判断による調理は絶対に行わないよう呼びかけています。

毒のある魚は、食べられないのですか?

トゲに毒がある魚と、食べると危ない魚は別です。オニカサゴやアイゴのように、トゲに毒があっても食用にされる魚はいます。一方、フグやアオブダイ、ソウシハギなどは、体の中に毒を持つため食べると危険です。

名前がわからない魚が釣れたら、どうすればいいですか?

素手で触らず、食べないのが基本です。船なら船長に、堤防なら近くの釣具店に聞くのが確実です。写真を撮っておくと、あとで調べるときに役立ちます。

ヒョウモンダコは、どんな場所にいますか?

浅い海の岩場などで見つかっています。体長10cmほどと小さく、刺激を受けると青い模様が出ます。各地の自治体が注意を呼びかけているので、小さなタコを見つけても素手で触らないでください。

まとめ|毒魚は「触らない・食べない」で防げる

この記事のまとめ
  • 釣りの毒魚は「刺されると危ない」「食べると危ない」「咬まれると危ない」の3タイプ
  • 堤防ではゴンズイ・ハオコゼ・アイゴ、サーフではアカエイに注意
  • フグ毒などの食べる毒は、加熱しても消えない。フグは自分でさばかない
  • トゲに刺されたら、傷口を洗い、やけどしない程度のお湯で温めて、医療機関へ
  • フィッシュグリップ・プライヤー・ハサミがあれば、魚に触れずに対処できる

毒魚の種類をすべて覚える必要はありません。名前のわからない魚は素手で触らない、食べない。この2つを守って、安全に釣りを楽しんでください。

参考:厚生労働省 自然毒のリスクプロファイル/環境省 せとうちネット 危険な生きもの/島根県 猛毒のあるヒョウモンダコに注意/東京都 見慣れない魚にご用心/羊土社 海で魚に刺されたら

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