「子どもの癇癪(かんしゃく)がひどくて、どう対応すればいいかわからない」「つい怒鳴ってしまって、あとで落ち込む」。幼児期の癇癪は、多くの子どもに見られる成長の過程と言われますが、毎日続くと親も心が折れそうになります。
私は共働きで、4歳の子どもを育てています。この記事では、子どもの癇癪によくある「やりがちだけど、逆効果になりやすい対応」と、落ち着くまでの対応の流れを、自治体や専門機関が発信している一般的な情報をもとにまとめます。
- 子どもが癇癪を起こす主な理由
- やりがちな「間違った対応」7つ
- 癇癪が起きたときの対応の流れ
- 癇癪を減らすための日ごろの工夫と、相談の目安
この記事は、子育ての一般的な考え方をまとめたものです。癇癪が極端に激しい、長く続く、自分や人を傷つけるなどの心配がある場合は、小児科、自治体の子育て相談窓口、保健センターなどに相談してください。

スーパーでお菓子を買わないって言ったら、床に寝転んで大泣き…。周りの目もあって、つい買っちゃった。

その場を収めたくなる気持ち、よくわかります。ただ、泣いたら要求が通る、と子どもが覚えてしまうと、同じ場面で癇癪が起きやすくなることがあります。どんな対応が逆効果になりやすいか、先に知っておきましょう。
結論|癇癪には「落ち着くまで待つ→気持ちを言葉にする→落ち着いてから話す」
| やりがちな対応 | 逆効果になりやすい理由 | 代わりにできること |
|---|---|---|
| 怒鳴る・強く叱る | 子どもがさらに興奮し、落ち着くまで時間がかかる | 大人が先に深呼吸して、低い声でゆっくり話す |
| 要求を聞き入れてしまう | 「泣けば通る」と学んでしまう | できないことは、短く一貫して伝える |
| 長々と説明・説得する | 興奮中は話が頭に入らない | 落ち着いてから短く話す |
| 「泣かないの!」と気持ちを否定する | 気持ちをわかってもらえないと感じる | 「悔しかったね」と気持ちを言葉にする |
| 脅す(置いていくよ、など) | 不安が強くなり、信頼関係にも影響 | 次に何をするかを具体的に伝える |
| 周りの目を気にして慌てる | 大人の焦りが子どもに伝わる | 安全な場所に移動して、落ち着くのを待つ |
| 手をあげる・体罰 | 子どもを傷つけ、法律でも禁止されている | 大人がその場を離れて、気持ちを落ち着ける |
癇癪への対応で大切なのは、「その場を収めること」より「子どもが気持ちを落ち着ける方法を学ぶこと」です。毎回うまくいかなくても大丈夫。大人が一貫した対応を続けることで、子どもは少しずつ自分の気持ちと向き合えるようになっていきます。
子どもが癇癪を起こす主な理由
- 気持ちを言葉でうまく伝えられない:「悔しい」「悲しい」「疲れた」を言葉にできず、泣いたり暴れたりして表現する
- 「自分でやりたい」気持ちが強くなる:自我が育つ時期で、思いどおりにならないことに強く反応する
- 疲れ・眠気・空腹:体調がよくないときは、小さなことでも癇癪につながりやすい
- 見通しが持てない:急に遊びを終わらされる、予定が変わるなど、心の準備ができていない
- 注目してほしい:大人がほかのことに気を取られているときに、かまってほしくて
癇癪の背景には、子どもなりの理由があります。理由がわかると、対応や予防の方法も見えてきます。
体罰は、2020年4月施行の改正児童虐待防止法などで禁止されています。叩くことはもちろん、子どもを怖がらせたり、心を傷つけたりする言葉や行動も避けましょう。大人も限界を感じたら、その場を一度離れることも大切です。

やりがちな「間違った対応」を詳しく
1. 怒鳴る・強く叱る
大人が大きな声を出すと、子どもはさらに興奮してしまい、落ち着くまでに時間がかかります。癇癪の最中は、大人が先に落ち着くことがいちばんの近道です。
2. 要求を聞き入れてしまう
泣いたらお菓子を買ってもらえた、という経験が続くと、子どもは「泣けば通る」と学びます。できないことは「今日は買わないよ」と短く、毎回同じように伝えることが大切です。
3. 興奮しているときに長く説明する
興奮している最中は、大人の説明はほとんど頭に入りません。話をするのは、落ち着いてからにしましょう。
4. 気持ちを否定する
「そんなことで泣かないの」「泣いてもムダ」と言われると、子どもは気持ちをわかってもらえないと感じます。行動は止めても、気持ちは受け止めることが大切です。
5. 脅す
「置いていくよ」「もう知らない」といった言葉は、その場では効くように見えても、子どもの不安を強めます。
6. 周りの目を気にして慌てる
お店などで癇癪が起きると、周りの目が気になります。でも、大人が慌てるほど、子どもも落ち着きにくくなります。人の少ない場所に移動して、落ち着くのを待ちましょう。
7. 手をあげる
体罰は子どもを傷つけ、法律でも禁止されています。どうしても感情がおさえられないときは、子どもの安全を確保したうえで、少しその場を離れて深呼吸しましょう。

毎回冷静になんて、なかなかできないよ…。

そのとおりで、いつも完璧にはできません。大事なのは、うまくいかなかったときに「さっきは大きな声を出してごめんね」と伝えられることだと思います。大人が謝る姿を見せるのも、子どもにとって大切な学びになりますよ。

癇癪が起きたときの対応の流れ
- 安全を確保する危ない物を遠ざけ、ぶつかったり転んだりしない場所に移動します。
- 大人がまず落ち着く深呼吸をして、声のトーンを下げます。
- 落ち着くまでそばで待つ無理に止めようとせず、子どもが落ち着くのを待ちます。抱きしめると落ち着く子もいれば、少し距離をとったほうが落ち着く子もいます。
- 気持ちを言葉にする「もっと遊びたかったね」「悔しかったね」と、子どもの気持ちを言葉にしてあげます。
- 落ち着いてから短く話す「でも、今日はおしまい。また明日遊ぼうね」と、短く伝えます。
- 切り替えられたらほめる気持ちを切り替えられたことを認めます。
癇癪を減らすための日ごろの工夫
| 工夫 | ポイント |
|---|---|
| 見通しを伝える | 「あと5分で帰るよ」「この絵本を読んだら寝るよ」と、先に知らせる |
| 選ばせる | 「赤と青、どっちの服にする?」と、小さな選択を任せる |
| 生活リズムを整える | 疲れや眠気、空腹のときは癇癪が起きやすい。睡眠と食事の時間を整える |
| 気持ちの言葉を教える | 絵本や日常会話で「くやしい」「さみしい」などの言葉にふれる |
| できたことをほめる | 泣かずに伝えられたとき、我慢できたときに認める |
| 予定に余裕を持つ | 急がせる場面が多いほど、癇癪は起きやすくなる |
癇癪は「起きてから」だけでなく、「起きにくい環境をつくる」ことで減らせることもあります。特に、疲れや空腹のタイミングを避けて買い物や予定を組むだけで、ずいぶん変わることがあります。
わが家は共働きで、子どもは4歳です。夕方は園の送迎から料理、お風呂、寝かしつけまで時間に追われがちで、親にも余裕がなくなりやすい時間帯です。癇癪への対応を調べてみて感じたのは、子どもの癇癪は、親の余裕のなさともつながっているということです。家電に任せられる家事は任せるなど、親の時間と気持ちに少しでも余裕をつくることも、癇癪への対策の一つだと考えています。

相談を考えたい目安
癇癪の多くは成長とともに落ち着いていくと言われますが、次のような様子が続く場合は、専門家に相談してみましょう。
- 癇癪の回数や激しさが、年齢が上がっても減らない、むしろ強くなる
- 自分の体を傷つける、人や物を激しく攻撃することが多い
- ことばの発達や、人とのかかわりにも心配がある
- 親が限界を感じていて、子どもに手をあげてしまいそう
相談先には、かかりつけの小児科、自治体の子育て相談窓口、保健センター、子育て支援センターなどがあります。親自身がつらいときも、相談してよいのです。
子育てや家族の車・お出かけについては、こちらの記事も参考にしてください。
子どもの癇癪に関するよくある質問
子どもの癇癪は何歳ごろまで続きますか?
個人差が大きいですが、言葉で気持ちを伝えられるようになるにつれて、少しずつ落ち着いていくことが多いと言われます。気になる場合は、小児科や自治体の相談窓口に相談しましょう。
癇癪のとき、抱きしめたほうがいいですか?
抱きしめると落ち着く子もいれば、触られるのを嫌がる子もいます。子どもの様子を見て、そばで見守るか、抱きしめるかを選びましょう。
お店で癇癪を起こしたときは、どうすればいいですか?
安全を確保し、できれば人の少ない場所に移動して、落ち着くのを待ちます。その場を収めるために要求を聞き入れると、同じ場面で癇癪が起きやすくなることがあります。
つい怒鳴ってしまいます。どうすればいいですか?
大人も感情があるので、いつも冷静にはできません。怒鳴ってしまったら、落ち着いてから「大きな声を出してごめんね」と伝えましょう。限界を感じるときは、子どもの安全を確保して少しその場を離れたり、周りに頼ったりすることも大切です。
無視するのは効果がありますか?
危険がない状況で、過剰に反応しないことは一つの方法と言われます。ただ、子どもを放っておくのではなく、そばで見守り、落ち着いたら気持ちを受け止めることが大切です。
癇癪が多いのは、育て方のせいですか?
癇癪は多くの子どもに見られるもので、親の育て方だけが原因ではありません。性格や発達、その日の体調などさまざまな要因があります。自分を責めすぎず、気になることは専門家に相談しましょう。
癇癪のときに、気持ちを言葉にするのはなぜですか?
「悔しかったね」と大人が言葉にすることで、子どもは自分の気持ちに名前があることを知り、気持ちを受け止めてもらえたと感じやすくなります。少しずつ、自分でも言葉で伝えられるようになっていきます。
保育園では癇癪を起こさないのに、家では起こします。なぜですか?
家は安心できる場所なので、保育園でがんばった分の疲れや気持ちを、家で出していることがあると言われます。家で癇癪が出るのは、親を信頼しているからとも考えられます。
きょうだいげんかから癇癪になったときは?
まず、けがをしないよう二人を離して安全を確保します。落ち着いてから、それぞれの気持ちを聞きましょう。どちらか一方だけを責めると、癇癪が長引くことがあります。
まとめ|癇癪には「落ち着くまで待つ」と「気持ちを受け止める」
- 癇癪には、言葉にできない、自分でやりたい、疲れなど子どもなりの理由がある
- 怒鳴る・要求を通す・長く説得する・気持ちを否定する・脅すは逆効果になりやすい
- 安全確保→大人が落ち着く→待つ→気持ちを言葉に→落ち着いてから話す
- 見通しを伝える、選ばせる、生活リズムを整えることで、起きにくくできる
- 心配なときや親が限界のときは、小児科や自治体の窓口に相談する
癇癪は、子どもが気持ちのコントロールを学んでいる途中のサインです。完璧な対応を目指さず、大人も一息つきながら、少しずつ付き合っていきましょう。
