「鮎の友釣りって、どういう仕組みなの?」「始めるには何が必要?」。鮎の友釣りは、生きた鮎(おとり鮎)を泳がせて、なわばりを守ろうと体当たりしてくる野鮎を掛けるという、日本ならではのユニークな釣りです。
私は静岡で、主に海の船釣りを楽しんできました。鮎の友釣りは私の主な釣りではないので、この記事では、友釣りの仕組み、始めるまでの流れ(遊漁券・おとり鮎)、道具と仕掛け、基本の釣り方、川での安全を、はじめての人向けに一般的な方法としてまとめます。静岡県内にも、友釣りで知られる川があります。
- 鮎の友釣りの仕組み(なぜ釣れるのか)
- 友釣りを始めるまでの流れ(遊漁券・解禁日・おとり鮎)
- 必要な道具と仕掛けの基本
- おとり鮎の扱い方と、基本の釣り方
- 川で守りたい安全とマナー

鮎って、エサやルアーで釣るんじゃないんですか?

鮎は成長すると、川の石についたコケ(藻)を食べるようになり、自分のエサ場を「なわばり」として守る習性があると言われています。そのなわばりに入ってきたおとり鮎に体当たりしてくるところを、針で掛けるのが友釣りです。エサもルアーも使わない、ちょっと変わった釣りなんです。
結論|友釣りは「遊漁券・おとり鮎・なわばりの習性」を理解して始める
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| 仕組み | なわばりを持つ野鮎が、おとり鮎に体当たりしてきたところを掛けバリで掛ける |
| 必要な手続き | 川ごとの漁協が発行する遊漁券(日券・年券)を買う |
| 時期 | 川ごとに解禁日が決まっている。多くは初夏〜秋 |
| おとり鮎 | 川の近くの「おとり店」で買うのが一般的 |
| 道具 | 長い鮎竿・専用の仕掛け・引き舟・タモ・川に入る装備 |
友釣りは、川ごとのルール(漁業権・遊漁券・解禁日)を守ることが大前提です。鮎は漁協が放流や管理をしている魚で、遊漁券を買わずに釣ると、ルール違反になります。
はじめての人は、おとり店で遊漁券とおとり鮎を買うときに、その日のよく釣れている場所や、仕掛けのことを相談するのがおすすめです。地元の情報がいちばん頼りになります。
鮎の友釣りの仕組み
- 鮎が川をのぼり、なわばりを持つ春に海から川にのぼってきた若い鮎は、成長すると石についたコケを食べるようになり、エサ場を「なわばり」として守るようになると言われています。
- おとり鮎をなわばりに送りこむ釣り人は、鼻に「鼻カン」を通したおとり鮎を、野鮎がいそうな場所へ泳がせます。
- 野鮎が体当たりしてくるなわばりに入ってきたおとり鮎を追い払おうと、野鮎が体当たりしてきます。
- 掛けバリに掛かるおとり鮎のお尻のあたりについた掛けバリ(イカリバリなど)に、体当たりしてきた野鮎が掛かります。
- 掛かった鮎を次のおとりにする釣れた元気な野鮎を、次のおとり鮎として使います。これをくり返します。

釣れた鮎を次のおとりにするんですか?おもしろいですね。

そうなんです。元気な野鮎をおとりにすると、よく泳いでくれるので、次の鮎も掛かりやすくなると言われています。うまく回りはじめると、どんどん釣れる「循環」ができるのが、友釣りのおもしろさですね。

友釣りを始めるまでの流れ
- 行く川を決める友釣りができる川は全国にあります。静岡県内にも、友釣りで知られる川があります。
- 解禁日とルールを確認する鮎釣りは、川ごとに解禁日(釣ってよい期間の始まり)が決まっています。漁協のホームページなどで、解禁日・釣ってよい区域・禁止区域・使ってよい釣り方を確認します。
- 遊漁券を買うその川の漁協が発行する遊漁券を買います。1日だけ使える「日券」と、1年間使える「年券」があるのが一般的です。おとり店やコンビニ、オンラインで買える場合もあります。
- おとり鮎を買う川の近くの「おとり店」で、おとり鮎を買います。2匹くらいから始める人が多いです。
- 川に入って釣るおとり鮎を引き舟に入れて川に運び、釣りを始めます。
鮎は、漁協が漁業権をもち、放流などで管理している魚です。遊漁券を持たずに釣ると、ルール違反になります。遊漁券は、見える場所に身につけておくように決められていることが多いです。
友釣りに必要な道具
| 道具 | 役割・目安 |
|---|---|
| 鮎竿 | 8〜9m前後の長い竿が一般的。軽さと調子(しなり方)が大切 |
| 仕掛け(天上糸・水中糸・中ハリス・鼻カン・逆バリ・ハリス・掛けバリ) | 市販の「完成仕掛け」を使うと手軽 |
| 引き舟 | おとり鮎や釣った鮎を生かしておく、水に浮かべる容器 |
| おとり缶 | おとり店から川まで、おとり鮎を運ぶ容器 |
| タモ(網) | 掛かった鮎を受け取るための網 |
| 鮎タビ・鮎タイツまたはウェーダー | 川の中を歩くための装備。すべりにくい靴底が大切 |
| 鮎ベスト(ライフジャケット機能つきがおすすめ) | 仕掛けや小物を入れる。浮力のあるものが安心 |
※道具の長さなどは一般的な目安です。
鮎の友釣りは、専用の道具が多く、最初にそろえる費用はほかの釣りより高めになりやすいです。釣具店や、地域によってはおとり店でレンタルや体験会を行っていることもあるので、最初は体験から始めるのもよい方法です。
仕掛けのしくみ
- 天上糸:竿先から水中糸までをつなぐ糸。長さの調整に使う
- 水中糸:水の中に入る細い糸。ナイロン・フロロカーボン・複合・金属など、いろいろな種類がある
- 鼻カン:おとり鮎の鼻に通す小さな輪
- 逆バリ:おとり鮎の尻ビレの近くに打つ小さな針。掛けバリの位置を安定させる
- 掛けバリ:野鮎を掛けるための針。3〜4本の針をまとめた「イカリバリ」が多い

おとり鮎の扱い方
友釣りで釣果を左右するのが、おとり鮎をいかに元気なまま泳がせるかです。
- 手を川の水で冷やしてから持つ:人の手の温度は、鮎にとっては熱いと言われます。手をぬらして冷やしてから、やさしく持ちます
- すばやく鼻カンを通す:水から出している時間をできるだけ短くします
- ぬるい水に入れない:おとり缶や引き舟の水は、こまめに川の水と入れ替えます
- 無理に引っぱらない:おとり鮎が自分で泳いでいくのを、竿でやさしく助けるイメージで操作します
基本の釣り方
- ポイントを選ぶ石が大きく、コケがついている場所、流れがほどよくある「瀬」や「トロ場」が基本のポイントです。石の表面に、鮎がコケを食べた「はみ跡」がある場所は、鮎がいるサインと言われます。
- おとり鮎を放す足元からそっと水に入れ、おとり鮎が自分で泳ぎ出すのを待ちます。
- 竿を立てぎみにして、おとり鮎を泳がせる糸を張りすぎず、ゆるめすぎず、おとり鮎が自然に泳げるように竿を操作します。上流に向かって泳がせる「引き泳がせ」や、流れにまかせる「泳がせ」などの方法があります。
- アタリを待つ野鮎が掛かると、目印が急に動いたり、竿に「ガツン」と強い衝撃が伝わったりします。
- 取りこむ竿を立てて、鮎を水面から抜き上げ、タモで受け取ります。「引き抜き」は慣れが必要なので、最初は無理をせず、寄せてからタモに入れても大丈夫です。
- おとりを交換する釣れた元気な野鮎を、次のおとりにします。
私は静岡で、主に海の船釣りを楽しんできました。海の泳がせ釣りでも、生きたエサの魚をいかに弱らせずに泳がせるかが釣果を大きく左右します。鮎の友釣りも、おとり鮎を元気に保つことが大切という点で、泳がせ釣りと共通する部分がある釣りです。

川で守りたい安全とマナー
- 増水時は川に入らない:雨のあとや、上流で雨が降っているときは、急に水かさが増えることがあります
- ダムの放流に注意する:放流のサイレンや案内があったら、すぐに川から上がります
- 無理に深い場所へ進まない:流れの強い場所では、足をとられると危険です
- 浮力のあるベストやライフジャケットを着る:万が一に備えます
- 熱中症に注意する:夏の川は日差しが強いので、水分補給と休憩をこまめにとります
- 先に釣っている人の近くに入らない:鮎釣りでは、人と人の間隔を広くとるのがマナーです。入るときはひと声かけましょう
- 禁止区域や禁止されている釣り方を守る:漁協が決めたルールにしたがいます
- ゴミは持ち帰る:仕掛けの糸くずは、野鳥などにからまる原因になります
- 駐車のルールを守る:川沿いの私有地や農道に無断で駐車しないようにします
釣った鮎のおいしい食べ方
- 塩焼き:鮎の定番。串に刺して、化粧塩をしてじっくり焼くと、香りが楽しめます
- 天ぷら・フライ:小さめの鮎も丸ごと食べやすい
- 甘露煮:保存もきく
- 鮎ごはん:焼いた鮎をごはんと一緒に炊きこむ
鮎は「香魚」とも呼ばれ、スイカやキュウリのようなさわやかな香りがすると言われています。釣った日に食べると、その香りをいちばん楽しめます。
釣りの道具や釣り方については、こちらの記事も参考にしてください。
鮎の友釣りに関するよくある質問
鮎の友釣りはいつからできますか?
川ごとに解禁日が決まっています。多くの川では初夏に解禁され、秋ごろまで楽しめます。行きたい川の漁協のホームページなどで、その年の解禁日を確認しましょう。
遊漁券はどこで買えますか?
川の近くのおとり店や釣具店、コンビニ、オンラインなどで買える場合があります。販売場所は川によって違うので、漁協の案内を確認してください。
おとり鮎は何匹買えばいいですか?
2匹くらいから始める人が多いです。おとりが弱ったときの交換用に、もう1匹あると安心です。
初心者でも鮎の友釣りはできますか?
できます。ただし、道具が多く、おとり鮎の扱いにも慣れが必要です。地域によっては体験会や教室が開かれていることもあるので、最初は経験者に教わるのがおすすめです。
道具はレンタルできますか?
おとり店や地域の観光施設などで、竿や道具をレンタルしている場合があります。行く川の近くで貸し出しがあるか、事前に問い合わせてみましょう。
友釣り以外の鮎の釣り方はありますか?
エサ釣りや、毛バリを使うドブ釣り、ルアーを使う鮎ルアーなど、いくつかの釣り方があります。ただし、川ごとに使ってよい釣り方が決められているので、漁協のルールを確認しましょう。
鮎釣りにかかる費用はどれくらいですか?
遊漁券は川によって違い、日券で数千円程度のことが多いです。おとり鮎も1匹数百円程度が一般的です。道具を一式そろえると、ほかの釣りより高めになりやすいので、最初は体験やレンタルも検討しましょう(金額はおおよその目安です)。
子どもと一緒に鮎釣りはできますか?
川の流れは子どもにとって危険も多いので、浅く流れのゆるやかな場所を選び、ライフジャケットを着せて大人が必ずそばにつきましょう。地域の鮎釣り体験イベントに参加するのもおすすめです。
まとめ|友釣りは川のルールを守って、おとり鮎を大切に
- 友釣りは、なわばりを守る野鮎が、おとり鮎に体当たりしたところを掛ける釣り
- 川ごとの解禁日とルールを確認し、遊漁券を必ず買う
- おとり鮎はおとり店で買い、元気なまま泳がせることが大切
- 道具は専用のものが多いので、最初は体験やレンタルも検討する
- 増水やダムの放流に注意し、安全第一で川に入る
鮎の友釣りは、生き物の習性を利用した、奥の深い釣りです。夏の清流の中で竿を出す時間は、海の釣りとはまたちがった気持ちよさがあります。まずは行きたい川のルールを調べるところから始めてみてください。
