「堤防からアオリイカを釣ってみたい」「エギングって難しそう」。アオリイカは、堤防からでも狙える人気のターゲットです。食べてもおいしく、「イカの王様」と呼ばれることもあります。
私は静岡で、船でヤリイカ・スルメイカを釣ってきました。アオリイカの堤防釣りは私の主な釣りではないので、この記事では、イカ釣りの経験もふまえつつ、堤防からアオリイカを狙うときの時期・場所・釣り方(エギング・ヤエン・ウキ釣り)・道具・マナーを、一般的な方法としてまとめます。
- アオリイカが堤防で釣れる時期(春と秋のちがい)
- 堤防でアオリイカがいる場所
- エギング・ヤエン・ウキ釣りの3つの釣り方
- 必要な道具と、堤防で守りたいマナー

アオリイカって、どの堤防でも釣れるんですか?

どこでもというわけではありません。アオリイカは、藻場(海藻が生えている場所)や岩場がある、水のきれいな場所を好むと言われています。こうした条件がそろった堤防を選ぶのが第一歩ですよ。
結論|初心者は「秋の新子シーズン」に「エギング」から始めるのがおすすめ
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| 時期 | 秋は小型が多く数が釣れやすい。春は大型の親イカが狙える |
| 場所 | 藻場・岩場・堤防の先端・潮通しのよい場所 |
| 釣り方 | エギング(ルアー)・ヤエン(生きアジ)・ウキ釣り(生きアジ) |
| 初心者向け | 道具がシンプルで手軽なエギング |
| マナー | イカの墨で堤防を汚さない。釣り禁止の場所に入らない |
アオリイカ釣りを始めるなら、秋に、エギングで、藻場のある堤防から始めるのがおすすめです。秋は、その年に生まれた小さなアオリイカ(新子)が岸近くに多く、比較的釣りやすい時期と言われています。
アオリイカは、エギ(イカ用のルアー)を「しゃくって」「沈めて」、沈んでいるときに抱きついてくることが多いイカです。エギを沈めている時間を大切にするのが、エギングの基本です。
アオリイカが堤防で釣れる時期
| 時期 | 特徴 | サイズ感(目安) |
|---|---|---|
| 春(4〜6月ごろ) | 産卵のために、大きな親イカが岸に寄る | 大型が中心(1kgをこえることも) |
| 夏(7〜8月ごろ) | 産卵後の時期。新子が育ちはじめる | 小さい |
| 秋(9〜11月ごろ) | 新子が育ち、数が釣れやすい。初心者向け | 小型〜中型 |
| 冬(12〜3月ごろ) | 水温が下がり、深場に移動しやすい | 中型〜大型 |
※時期やサイズは地域によって違います。一般的な目安です。
秋と春、どちらがいい?
初心者には、秋の新子シーズンがおすすめです。数が多く、エギへの反応もよいと言われます。一方、春は大型の親イカが狙えますが、数は少なく、釣るのは難しくなります。

秋の小さいイカは、全部持って帰っていいんですか?

持ち帰りに法的な決まりがない場所でも、あまりに小さいイカは逃がしてあげるのがマナーとされています。地域によっては、漁協などが小型の持ち帰り自粛を呼びかけていることもあります。次のシーズンのためにも、必要な分だけ持ち帰りましょう。

堤防でアオリイカがいる場所
- 藻場(海藻が生えている場所):アオリイカは、春に海藻に卵を産みつけます。藻場は、エサになる小魚も集まりやすい
- 岩場やテトラのまわり:身をかくせる場所に、イカがついていることがある
- 堤防の先端:潮通しがよく、イカが回ってきやすい
- 常夜灯のまわり(夜):明かりに集まる小魚を狙って、イカが寄ってくることがある
- 水のきれいな場所:アオリイカは、にごりの強い場所をきらうと言われる
堤防の足元をのぞいて、海藻が生えているか、岩があるか、水がすんでいるかを確認すると、アオリイカがいそうな場所かどうかの目安になります。
堤防でアオリイカを釣る3つの方法
| 釣り方 | エサ | 特徴 | 初心者向け度 |
|---|---|---|---|
| エギング | エギ(ルアー) | 道具がシンプル。歩いて広く探れる | ◎ |
| ヤエン釣り | 生きたアジ | アジを抱いたイカに、あとから針(ヤエン)を送りこむ | △(慣れが必要) |
| ウキ釣り | 生きたアジ | ウキの下でアジを泳がせ、イカが抱いたら合わせる | ○ |
1. エギング
エギと呼ばれるイカ用のルアーを投げて、しゃくって(竿を上に大きくあおって)エギを跳ね上げ、そのあと沈める動作をくり返します。アオリイカは、エギが沈んでいるときに抱きついてくることが多いです。
- エギを投げる藻場や岩場の近くを狙って投げます。
- 底まで沈めるエギを海底まで沈めます。着底するとラインがたるみます。
- しゃくる竿を2〜3回、上にあおって、エギを跳ね上げます。
- 沈める(フォール)ラインを張りぎみにして、エギを沈めます。このとき、ラインが引っぱられたり、止まったりしたらイカが抱いたサインです。
- 合わせるイカが抱いたら、竿を立ててしっかり合わせ、一定の速さで巻きます。
2. ヤエン釣り
生きたアジを泳がせ、アジを抱いたイカに、ラインを伝ってヤエン(針のついた道具)を送りこむ釣り方です。イカにアジを食べさせてから針を掛けるので、大型が狙いやすいと言われますが、慣れが必要です。
3. ウキ釣り
ウキの下に生きたアジと、イカ用の針(掛けバリ)をつけて泳がせます。ウキが沈んだら、イカがアジを抱いたサインです。少し待ってから合わせます。ウキの動きで状況がわかりやすく、置き竿でも楽しめます。

エギングに必要な道具
| 道具 | 一般的な目安 |
|---|---|
| ロッド | エギングロッド 8ft前後(約2.4〜2.6m) |
| リール | スピニングリール 2500〜3000番前後 |
| ライン | PEライン 0.6〜0.8号前後 |
| リーダー | フロロカーボン 2〜3号前後を1〜2m |
| エギ | 秋は2.5〜3号、春は3.5〜4号が目安 |
| その他 | ギャフまたはタモ、イカ締めピック、ライフジャケット |
※数値は一般的な目安です。
エギの選び方
- 大きさ:秋の新子には小さめ(2.5〜3号)、春の親イカには大きめ(3.5〜4号)
- 色:まずは、明るい色(オレンジ・ピンク系)と、地味な色(ブラウン・緑系)を1つずつ
- 沈むスピード:浅い場所ではゆっくり沈むもの、深い場所や風が強い日は速く沈むもの
私は静岡の船で、ヤリイカやスルメイカを釣ってきました。釣り方は違いますが、イカ釣りはイカが仕掛けに「乗る(抱く)」瞬間の重みの変化をとらえる釣りだという点は共通しています。堤防のエギングでも、エギが沈んでいる間のラインの変化に集中することが大切です。
釣れたアオリイカの扱い方
- 墨に注意して取りこむアオリイカは、水面で墨をはきます。取りこむときは、足元の堤防や人に墨がかからないよう注意します。
- 締める目と目の間などの急所をピックで突いて締めると、体の色が白っぽく変わります。締めると鮮度が保ちやすくなります。
- 袋に入れて冷やすイカが直接氷や水にふれないよう、袋に入れてからクーラーボックスで冷やします。

イカが抱いたかどうかの見分け方
エギングでいちばん難しいのが、「イカがエギを抱いたかどうか」の判断です。次のような変化があったら、イカが抱いた可能性があります。
- 沈めているラインが急に止まる:エギが沈むのを、イカが抱いて止めたサイン
- ラインが横に走る・引っぱられる:イカがエギを抱いたまま移動している
- ラインがふけ(たるみ)が急に増える・減る:沈むスピードが変わった
- 次にしゃくったときに重い:沈めている間に抱いていたことがある
アタリがわかりにくいうちは、しゃくる前に一度ラインを張って、重みがないか確かめるクセをつけると、抱いていたイカに気づきやすくなります。「根がかりかな?」と思ったら、ゆっくり竿を立ててみると、イカだったということもあります。
また、アオリイカの足(腕)は意外とやわらかく、強く引っぱりすぎると身切れしてバレることがあります。合わせたあとは、一定の速さでゆっくり巻くのがコツです。
堤防でのマナーと注意点
- 墨で堤防を汚さない:イカの墨が堤防に残ると、見た目も悪く、トラブルの原因になります。水くみバケツで洗い流しましょう
- エギング禁止・釣り禁止の場所に入らない:漁港によっては、エギングが禁止されている場所もあります
- 漁業者の作業をじゃましない:漁港では、船の出入りや作業を優先します
- 小さいイカは逃がす:地域の呼びかけに合わせ、必要な分だけ持ち帰ります
- ライフジャケットを着る:夜や足場の悪い場所では、とくに注意します
エギングの人気が高まる一方で、墨の汚れやゴミの問題で、釣り禁止になった堤防もあると言われています。釣り場を守るためにも、マナーを大切にしましょう。
アオリイカが釣れないときに見直すこと
- 場所:藻場や岩場がない、にごりが強い場所では、イカがいない可能性があります
- エギを沈める時間:しゃくったあと、十分に沈めているか
- エギの大きさ・色:時期や天候に合わせて変えてみる
- 時間帯:朝マヅメ・夕マヅメは、イカの活性が上がりやすいと言われます
- 潮の動き:潮が動いている時間を狙う
イカ釣りや堤防の釣りについては、こちらの記事も参考にしてください。
アオリイカの堤防釣りに関するよくある質問
アオリイカは昼と夜、どちらが釣れますか?
どちらでも釣れますが、朝マヅメ・夕マヅメは活性が上がりやすいと言われます。夜は常夜灯のまわりがねらい目になることもあります。夜は足元が見えにくいので、安全に注意しましょう。
エギは何個くらい用意すればいいですか?
根がかりでなくすこともあるので、最初は大きさや色を変えて3〜5個くらいあると安心です。
初心者でもアオリイカは釣れますか?
秋の新子シーズンは、初心者でも釣れるチャンスが比較的多い時期です。藻場のある堤防で、エギを十分に沈めることを意識しましょう。
アオリイカはどうやって食べるのがおいしいですか?
刺身が定番で、甘みがあると人気です。天ぷらや炒め物、一夜干しなどもおすすめです。寄生虫が心配な場合は、よく加熱するか、しっかり冷凍してから食べましょう。
ヤリイカやスルメイカとの違いは何ですか?
アオリイカは、体の横に大きなヒレ(エンペラ)があるのが特徴で、岸近くの藻場や岩場で釣れます。ヤリイカやスルメイカは、主に船から深い場所を狙って釣ることが多いです。
ギャフとタモ、どちらを用意すればいいですか?
足場の高い堤防では、柄の長いギャフかタモがあると安心です。小型が中心の秋は、抜き上げられることもありますが、大型が掛かることもあるので、どちらか1つは用意しておきましょう。
雨の日や風の強い日でも釣れますか?
小雨なら釣れることもありますが、大雨で海がにごると釣りにくくなると言われます。風が強い日は、エギの操作が難しくなるので、少し重いエギを使うか、風裏の場所を選びましょう。
まとめ|アオリイカは「秋・エギング・藻場」から始めよう
- 初心者には、数が釣れやすい秋の新子シーズンがおすすめ
- 藻場・岩場・堤防の先端など、水のきれいな場所を狙う
- 釣り方はエギング・ヤエン・ウキ釣り。手軽なのはエギング
- エギを十分に沈め、沈んでいるときの変化に集中する
- 墨で堤防を汚さない、小さいイカは逃がすなど、マナーを守る
アオリイカは、釣れたときの重みと、食べたときのおいしさが魅力のターゲットです。まずは秋の堤防で、エギングから始めてみてください。
