「堤防から黒鯛(チヌ)を釣ってみたい」「黒鯛のエサ釣りは、どんな釣り方があるの?」。警戒心が強く、知恵比べのような駆け引きが楽しめる黒鯛は、堤防釣りの憧れのターゲットです。
私は静岡で、船のエサ釣りを中心に釣りをしてきました。この記事では、堤防から黒鯛を狙うエサ釣りの代表的な方法と、エサの選び方・釣り方のコツを、これから始める人向けにまとめます。
- 堤防で黒鯛を狙うエサ釣りの種類(ウキフカセ・落とし込み・ダンゴ釣り・ぶっこみ)
- 黒鯛のエサの種類と、使い分け
- 初心者におすすめの釣り方と、道具の目安
- 釣れる時期・時間帯と、釣るためのコツ
堤防には、釣り禁止の場所や、コマセ(まきエサ)の使用を禁止している場所もあります。看板や地域のルールを確認し、ライフジャケットを着用して楽しみましょう。この記事の道具や仕掛けは一般的な目安です。

黒鯛って、上級者の釣りってイメージがあるな…

奥が深い釣りなのは確かです。でも、釣り方を選べば、初心者でも十分にチャンスがある魚ですよ。まずは釣り方の種類から整理しましょう。
結論|初心者はウキフカセかぶっこみから、エサは複数用意する
堤防から黒鯛を狙うエサ釣りには、主に次の4つの方法があります。それぞれ道具もエサも違います。
| 釣り方 | 特徴 | 主なエサ | 初心者向き |
|---|---|---|---|
| ウキフカセ釣り | コマセをまいて寄せ、ウキで付けエサを漂わせる | オキアミ、練りエサ | ◯ |
| 落とし込み(ヘチ釣り) | 堤防の壁ぎわに、エサをゆっくり落として食わせる | カニ、イガイ(貝)など | △(慣れが必要) |
| ダンゴ釣り(紀州釣り) | エサを包んだダンゴを投げ、ダンゴが割れたところで食わせる | オキアミ、サナギ、コーンなど | △ |
| ぶっこみ釣り | オモリで仕掛けを海底に置き、アタリを待つ | カニ、ボケ、イソメなど | ◯ |
初めてなら、道具がシンプルなぶっこみ釣りか、基本を覚えやすいウキフカセ釣りから始めるのがおすすめです。黒鯛は日によって食べるエサが変わることもあるので、エサは2種類以上用意しておくと安心です。
黒鯛は雑食で、貝・カニ・エビ・虫エサ・練りエサ、さらにはコーンやスイカまで食べると言われる魚です。そのぶん、エサの選び方で釣果が変わる面白さがあります。
黒鯛(チヌ)とはどんな魚?
- 呼び名:関東では黒鯛、関西ではチヌと呼ばれることが多い
- すむ場所:堤防の壁ぎわ、岩場、河口など、岸近くにいる
- 性格:警戒心が強く、エサを見きわめてから食べると言われる
- 大きさ:30〜40cm前後がよく釣れるサイズ。50cmを超える大型は「年無し」と呼ばれる

黒鯛のエサの種類と使い分け
| エサ | 特徴 | 向いている釣り方 |
|---|---|---|
| オキアミ | 定番のエサ。付けエサにもコマセにも使う。エサ取り(小魚)に取られやすい | ウキフカセ、ダンゴ釣り |
| 練りエサ | エサ取りに強く、針から外れにくい | ウキフカセ |
| カニ(小さなカニ) | 黒鯛の好物。エサ取りに強い | 落とし込み、ぶっこみ |
| イガイ(貝) | 堤防の壁についている貝。落とし込みの定番 | 落とし込み |
| ボケ(エビの仲間) | 黒鯛がよく食べると言われるエサ | ぶっこみ、ウキ釣り |
| イソメ類 | 手に入りやすい。ほかの魚もよく釣れる | ぶっこみ、ウキ釣り |
| コーン・サナギ | エサ取りに強い。ダンゴ釣りでよく使われる | ダンゴ釣り |
堤防には、黒鯛より先にエサを食べてしまう小魚(エサ取り)が多くいます。エサ取りが多い日は、カニや練りエサ、コーンなど、エサ取りに強いエサに切り替えるのがポイントです。
方法1|ウキフカセ釣り(初心者におすすめ)
コマセ(まきエサ)で黒鯛を寄せ、ウキで付けエサを自然に漂わせる釣り方です。
道具の目安
| 道具 | 一般的な目安 |
|---|---|
| 竿 | 磯竿1〜1.5号前後、長さ5m前後 |
| リール | 2500番前後のスピニングリール |
| 道糸 | ナイロン2〜2.5号前後 |
| ハリス | フロロカーボン1.5〜2号前後 |
| ウキ | 円錐ウキや棒ウキ |
| 針 | チヌ針1〜3号前後 |
| コマセ | オキアミに配合エサ(黒鯛用の集魚剤)を混ぜたもの |
釣り方の流れ
- コマセを足元や狙う場所にまくひしゃくでコマセをまき、黒鯛を寄せます。
- ウキ下(エサの深さ)を合わせる黒鯛は海底近くにいることが多いので、エサが底付近を漂う深さに合わせます。
- 仕掛けを投げ、コマセと同じ場所に流すまいたコマセと付けエサが一緒に流れるようにします。
- ウキが沈んだら、竿を立てて合わせるアタリがあったら、竿を立ててゆっくり巻き寄せます。

ウキ下って、どうやって決めるの?

最初は水深を測って、エサが海底すれすれになるように合わせるのが基本です。オモリをつけて底の深さを確かめる「タナ取り」をしてから始めると、迷いません。

方法2|ぶっこみ釣り(手軽に始めたい人向け)
オモリで仕掛けを海底に置き、アタリを待つシンプルな釣り方です。夜釣りで狙われることも多い方法です。
- 仕掛け:中通しオモリや天秤に、ハリスと針を付けたシンプルなもの
- エサ:カニ、ボケ、イソメなど
- コツ:竿先に鈴を付けたり、竿先をよく見たりして、アタリを見逃さない
黒鯛はエサをくわえてから、少しずつ飲み込むことがあると言われます。竿先が小さく動いただけで慌てて合わせず、大きく引き込まれてから合わせるのがコツです。
方法3|落とし込み(ヘチ釣り)
堤防の壁ぎわに、カニやイガイなどのエサをゆっくり落としていく釣り方です。黒鯛は、堤防の壁についている貝やカニを食べに、壁ぎわに寄ってくると言われます。
- 道具:専用の短い竿と、太鼓リールと呼ばれる小型のリールを使うことが多い
- エサ:カニ、イガイなど、壁ぎわにいる生き物
- コツ:エサが自然に落ちていくように、糸を送り出す。糸の動きでアタリを取る
道具も技術も独特なので、慣れてきてから挑戦したい上級者向けの釣りです。そのぶん、壁ぎわで黒鯛が食った瞬間の手応えは格別と言われます。
方法4|ダンゴ釣り(紀州釣り)
ヌカや砂を混ぜたダンゴで付けエサを包んで投げ、海底でダンゴが割れたところで黒鯛に食わせる釣り方です。ダンゴがエサ取りから付けエサを守り、同時にまきエサの役割もします。地域によっては昔から親しまれている釣り方です。
黒鯛を釣るためのコツ
1. 時間帯と潮を選ぶ
黒鯛は、朝夕の薄暗い時間や、夜に活発になると言われます。また、潮が動いている時間帯のほうがアタリが出やすいとされています。
2. 濁りのある日を狙う
警戒心の強い黒鯛は、海が少し濁っている日のほうが釣りやすいと言われます。雨のあとや、波が少しある日はチャンスです。反対に、海が澄みきっている日は、糸を細くする、エサを自然に漂わせるなど、警戒されにくい工夫が大切になります。
3. 壁ぎわ・障害物の周りを狙う
黒鯛は、堤防の壁ぎわ、テトラポッドの周り、岩場の近くなど、隠れる場所があるところを好みます。障害物の近くを狙うと根掛かりもしやすくなるので、予備の仕掛けを多めに用意しておきましょう。掛けたあとは、障害物から離すように竿を操作するのがポイントです。
4. 慌てずにやり取りする
黒鯛は掛かると強く引いて、根に潜ろうとします。竿の弾力を使って耐え、ゆっくり寄せるのが基本です。取り込みは玉網を使いましょう。

堤防で黒鯛を狙う場所の選び方
| 場所 | 理由 |
|---|---|
| 堤防の壁ぎわ | 壁についた貝やカニを食べに、黒鯛が寄ってくると言われる |
| テトラポッドの周り | 隠れる場所が多く、黒鯛がすみつきやすい(テトラの上は危険なので乗らない) |
| 河口の近く | 黒鯛は海水と川の水が混ざる場所にもいる |
| 船が停泊する港の中 | 船の下や岸壁のまわりに黒鯛がいることがある(立入禁止の場所には入らない) |
同じ堤防でも、潮通しがよく、壁ぎわに貝がたくさんついている場所は、黒鯛が寄りやすいと言われます。釣具店で最近の釣れている場所を聞いてみるのも近道です。
黒鯛釣りのシーズン
| 時期 | 一般的な傾向 |
|---|---|
| 春 | 産卵のために浅場に寄ってくる「乗っ込み」の時期。大型が狙いやすいと言われる |
| 夏 | エサ取りが増えるが、落とし込みなどで狙える |
| 秋 | 数釣りが楽しめる時期と言われる |
| 冬 | 深場に移ることが多く、釣るのが難しくなりがち |
※地域によって時期は変わります。
初心者がやりがちな失敗と対策
| よくある失敗 | 対策 |
|---|---|
| エサ取りにエサを取られ続ける | カニや練りエサ、コーンなど、取られにくいエサに替える |
| エサが底から離れている | タナ取りをして、エサが海底付近を漂うようにする |
| アタリで早く合わせすぎる | 竿先が大きく引き込まれてから合わせる |
| 根に潜られて糸が切れる | 竿の弾力で耐え、無理に引っ張らない |
| 抜き上げてバラす | 取り込みは玉網を使う |
黒鯛釣りのマナー
コマセを使う釣りでは、堤防が汚れやすくなります。帰る前に、水をくんだバケツで足元をきれいに流すのがマナーです。コマセの使用が禁止されている堤防もあるので、必ずルールを確認しましょう。
釣った黒鯛の持ち帰り方と食べ方
釣った黒鯛は、血抜きをしてすぐに冷やすのが基本です。黒鯛は住んでいる場所によって、身に臭みが出ることがあると言われます。血抜きと早めの冷却で、おいしく食べやすくなります。
| 料理 | ポイント |
|---|---|
| 刺身・カルパッチョ | 新鮮なものは刺身で。皮目を炙っても |
| 塩焼き | ふっくらした白身を味わえる定番 |
| ムニエル・アクアパッツァ | 洋風の料理にもよく合う |
釣りの道具や釣り方については、こちらの記事も参考にしてください。
黒鯛のエサ釣り(堤防)に関するよくある質問
黒鯛のエサは何がいちばん釣れますか?
日や場所によって変わります。オキアミが定番ですが、エサ取りが多い日はカニや練りエサ、コーンなどが有効なこともあります。2種類以上用意して、反応を見比べるのがおすすめです。
初心者におすすめの釣り方は?
道具がシンプルなぶっこみ釣りか、基本を覚えやすいウキフカセ釣りがおすすめです。落とし込みは独特の道具と技術が必要なので、慣れてから挑戦しましょう。
黒鯛はいつ釣れますか?
春の乗っ込みと秋がよく知られた時期です。時間帯は、朝夕の薄暗い時間や夜が狙い目と言われます。地域によって時期は変わるので、釣具店の情報も確認してください。
黒鯛とチヌは同じ魚ですか?
同じ魚です。関東では黒鯛、関西ではチヌと呼ばれることが多いです。
黒鯛はコーンで本当に釣れるのですか?
黒鯛は雑食で、コーンを食べることもあると言われています。エサ取りに強いので、ダンゴ釣りなどで使われることがあります。
夜釣りでも黒鯛は釣れますか?
黒鯛は夜にも活発になると言われ、ぶっこみ釣りなどで夜に狙う人もいます。夜の堤防は足元が見えにくく危険なので、ヘッドライトとライフジャケットを必ず用意し、慣れた場所で楽しみましょう。
まとめ|黒鯛は「エサ選び」と「根気」で釣る
- 堤防の黒鯛は、ウキフカセ・落とし込み・ダンゴ釣り・ぶっこみ釣りで狙える
- 初心者は、ぶっこみ釣りかウキフカセ釣りから始めるのがおすすめ
- エサはオキアミが定番。エサ取りが多い日はカニ・練りエサ・コーンなどに替える
- 朝夕や夜、濁りのある日、壁ぎわや障害物の周りが狙い目
- コマセを使ったら、帰る前に堤防をきれいに流す
黒鯛は、エサ選びや釣り方を工夫するほど面白くなる魚です。まずは近くの堤防で、1枚目の黒鯛を目指してみてください。
